「想定外」の満足を提供
日本のインターネット人口は8226万人、世帯普及率も83・3%にも及び、もう若者だけのメディアでないのは周知のとおりだ。
旅館ホテルの宿泊予約に大きく影響してきたネット予約は、パソコンではなく携帯電話による伸び率が高い。この3年間で200―300%増だという。しかもビジネスだけではない。レジャーに関する予約も携帯で、40代ですら30%が予約するようになってきた。近い将来、携帯がパソコンを抜く時代の到来が確実視されている。
その反面、若年層が旅行に興味を失いつつある傾向や人口減少などで2010年以降のネット予約は横ばいになり、ネット予約の利用は、右肩上がりで伸びた時代は終わりつつあるとのデータもある。
これを勝ち抜くためには宿泊客に「想定外」「想像以上」の感動をいかに与えて、予約サイトや自社ホームページなどに書き込んでもらえるかがポイントになってくる、とネットエージェントのリサーチ担当者は指摘する。
美容業界では美容室の競争が激化しているが、来店した顧客の3カ月前の会話をデータ化し、顧客満足に努めているという。お客の想定外を演出したり、思わぬ声がけで想像以上の感動を与える。こういった点はまだ我々の業界は出遅れている。
(トラベルニュースat 09年7月10日号)