旅館料理は量より質?
最近いろいろな場面で旅館料理の量の多さが指摘される。「12品や13品もあると食べ切れないし、残すことにストレスを感じる」から、量を減らす必要があるというわけだ。
パンフレットの写真に写る料理の量で営業する旅行業界の体質を改めなければ、旅館へ泊まる客を増やすことはできない、という声もある。
実際に旅館ホテルのアドバイザーを務める筆者の知人も基本的には前記の意見で、旅館料理はこれまで以上に改革しないと今の消費者には受け入れられない、という考えが多い。小紙のコラムでも、そういった内容の記述もしばしば登場する。
ところが営業の第一線の話を聞くと、「料理の質をよくして品数を減らしたら、まちがいなくクレームになる」という。いろいろ言われるが食べ残しが出るくらいが「ちょうどいい量」なのだそうだ。また「量を減らすことでご満足いただくお客様とそうでないお客様もいる。それを一緒にした考えには、違和感を覚える」と憤っておられた。
結局のところ、コンサルタントから「量が多いとお客様がストレスを感じる。品数を減らしましょう」と指示され、それを鵜呑みにしてしまう旅館ホテルの経営者の資質が問題で、自らの施設がどういった客層なのかを知った上で、料理の量を決めることが大事なのではないか。
(トラベルニュースat 09年9月25日号)