子どもは未来のお客様
スキー旅行が低迷して久しい。その理由の1つとして、スキー修学旅行で来た子どもたちにスキーの楽しさや宿に泊まる喜びを教えなかった旅行会社、旅館、スキー場に責任があるとの指摘がある。
また行きたくなるような楽しいスキーの教え方をせず、宿泊した旅館の料理もカレーなど安直なものばかりを出した結果、「スキーなんか行きたくない」と敬遠されるようになった。いってみれば観光業界がスキー需要を潰したといえなくもない。
ある市ではここ数年、修学旅行の受け入れを強化し、民泊に参加してもらえる家へ協力を呼びかける一方、旅館にも頼みにいったところ、ある旅館は「修学旅行だからといって8千円や9千円で泊めるわけにはいかない。料理の質が落ち、『なんだ、この旅館は』と子どもたちに思われてしまう。せっかく旅館に泊まってもらうのだから旅館の良さを伝えたい。そのためには最低1万2千円はいただき、通常のお客様と同じ扱いをする」と言ってのけた。
そうしてこの地区で修学旅行を受ける宿泊料金は、他の旅館も含めて1万2千円になった。料理は子どもたちの評判もよく、修学旅行後、両親と泊まりにくるケースも少なくないという。子どもをまた来ていただくお客様と見るのか、見ないのか。見方次第で大きく変わってくる。
(トラベルニュースat 09年10月25日号)