観光客を「宿泊客」に
「頑張っている観光地や温泉地があれば教えてほしい」と、よく聞かれる。筆者の知るところ、それぞれ努力をし、頑張っているところは多い。ただし、それが集客につながっているかとなると、話は別だ。工夫、努力をしているところでさえ、客集めには苦労している。
また、観光客が対前年比130%増で、多くの観光客がガイドとともにまち歩きをし、賑わっている地域を知っているが、すべて日帰り客で、周辺の観光地や温泉地を含め泊まらない。特に土日曜日の高速道路1000円で、日帰り圏内客は以前にも増して観光地に行くようになったものの渋滞がおこる弊害が出てきた。
その弊害は土日曜日集中を促し平日を閑散とさせたばかりか、これまで高い頻度で週末に動いていた宿泊客を「渋滞するのなら泊まりに行くのをやめよう」という気にさせてしまっている。要は昼間いくら賑わっているように見える観光地、温泉地でも泊まり客は確実に減り、深刻な問題になりつつある。
地域経済の波及効果や税収増につながる宿泊需要を喚起する取り組みは行政、宿泊業界がともに早急に進めなければならない。日帰り客を将来の「宿泊見込み客」として、泊まらなければ、泊まった方がお得と感じさせると同時に、日帰り客の消費活動を促す仕組みを打ち立てたい。
(トラベルニュースat 09年12月10日号)