ネットの特別宿泊料金
今さら言うまでもなく旅館ホテルにとって、インターネットによる集客は欠かせないもので、大きな旅館でも30%近くを占める割合のところもある。ネットエージェントや自社ホームページなど集客方法は様々だが、それぞれ特典をつけたり自助努力している。その中で必ず出てくるのが、自社ホームページ上のネット特別割引宿泊料金だ。
これが各施設の営業マンの旅行会社へのセールスに支障をきたしていることがあるという。特別料金を見た消費者が旅行会社を訪ねて「同じ料金で宿泊したい」と言ってきても、各施設の答えはノーで、予約を受けてもらえないからだ。
「自社サイトのファンづくりのために特別価格を設定しているのだから、それ自体には問題ない。だったらネットだけの集客に徹して、我々のところへセールスに来なくていい」というのが旅行会社側の言い分になる。
特別料金を設定する背景には各施設の諸事情があり言い分があるとはいえ旅行会社には関係ないことで、消費者から「なぜその料金で宿泊できないのか」と言われても返答ができないのは困るというわけだ。
旅行会社にしっかりと送客してもらおうという施設はネットと旅行会社への販売価格を統一しているように思うが、どうだろう。
(トラベルニュースat 10年1月25日号)