旅館団体と協賛業者
観光業界は総会シーズンに突入しているが、なかでも旅館業界での協賛業者に対する対応が以前から気になっていた。
協賛業者とはそれぞれの商品を買ってもらうために、旅館団体の組織に一定の会費をおさめて営業活動を行うわけだが、多くの旅館が集まる総会の場は、自社をPRする数少ない機会になる。運営側はすべての行事を終え、懇親会の始まる少し前にPRの時間を作ったりしているものの、どちらかというと「ついで」に設けている感じがしないではない。
ところが先日行われた国観連近畿支部の総会では、議案審議のあと意見交換会、協賛業者説明会、講演会という順番になっている。事務局長に「珍しいですね。なぜ、協賛業者説明会を前にもってきたんですか」と尋ねると、「協賛金をいただいてお世話になっているので、きちんとした時間をおとりしようと思って」という返事だった。
また希望する協賛業者には商品をアピールできるブースを設けてもらうようにしたという。その話を聞いて、この日の総会の受け付けの横に協賛業者のブースがあったことに気づいた。
協賛業者側の気持ちになって―という国観連近畿支部の姿勢には好感をもった。こういう姿勢が広がっていけばいいと思う。
(トラベルニュースat 10年5月10日号)