百貨店で売れない商品
ある評論家が百貨店で物が売れなくなったのは「どこでも同じものを売っているからだ」と言っていた。
旅行会社が造成する商品にも同じことが言えないだろうか。どこの旅行会社のパンフレットを見ても同じような旅館が掲載され、同じような料理写真が載る。多少、会社のカラーの違いはあるにしても会社名を隠してしまえば、どこの商品かわからない、と言うと言い過ぎか。
旅館にしても旅行会社のパンフレットに載る料理写真に、工夫があるように思えない。旅行会社の作るパンフレットはこういうものだから、提供する写真もいつもの写真で、となってはいないだろうか。
ネットエージェントや旅館のホームページでは12から13品の料理写真ではなく一点豪華というか、「逸品」にこだわった内容になっているように思える。
それぞれ自信のあるところを的確に表現していて、わかりやすい。これは旅行会社のパンフレットに限ったことではなく、自社の売り物をどう訴えるかが大事だ。
しかし、そこまでしても宿泊料金の低廉化の波は止まらない。どの温泉地、観光地でも一番館と言われるような旅館も料金を下げ、地域の棲み分けが難しくなっていて、どこの地域も同じような状況で苦しんでいる。
(トラベルニュースat 10年5月25日号)