入湯税の使い道は
入湯税は鉱泉浴場の入浴者に1日150円(地方自治体によって200円のところもある)が課せられる目的税だが、環境衛生施設や消防施設の整備、温泉の泉源の保護・管理と使い道は決められている。
入湯税をもっと観光振興や地域活性化に使ってほしいという声はあるものの、行政側から「観光振興に使っている」という返答が多い。
ある市の入湯税の使い方をみると1億6千万円の入湯税うち84%にあたる1億3500万円を広域ゴミ処理施設や清掃センター整備に使い、3.1%は消防施設の整備で490万円となっている。観光施設や観光振興には12.9%、2080万円だけで、内訳をみるとオートキャンプ場や園地の公衆トイレの管理費などに使われ、実際の観光振興で使える費用はわずかに違いない。
こういった実情から入湯税を観光目的として使えるよう行政への働きかけが活発化している。今号では岐阜県の下呂市や高山市の動きを紹介したが、入湯税の還付が難しいところでは「入湯料」として利用客に理解してもらえるよう働きかけたいという温泉地もあるぐらいだ。
これからも入湯税云々という動きは出てくるだろうが、何に使うのか明らかにし、観光振興に役立ててもらえればと思う。
(トラベルニュースat 10年9月10日号)