「龍馬伝」効果に思う
NHK大河ドラマ「龍馬伝」は10月から第3部に入り、いよいよ佳境に入ってきた。「龍馬伝」による経済波及効果は高知県が409億円、長崎県が240億円と日銀が試算したとおり、この2軒は多くの観光客で賑わっている。
龍馬役が女性に人気のある福山雅治さんという点も観光ブームの大きな要因であると思うが、高知県、長崎県とも行政と民間が一体となった観光客誘致に動いたということも評価されるべきだろう。
高知県では「龍馬伝」放映が決まった段階で即、観光客誘致活動に動き出し、長崎県も放映が始まる前から龍馬像のある風頭公園の整備や龍馬が作った会社「亀山社中」跡の復興に取りかかった。長崎が舞台になる第2部開始の7月には、長崎のアピール活動を強めた。
龍馬と妻・お龍が新婚旅行に出かけた鹿児島県は、宮崎県の口蹄疫問題と重なったが、龍馬とお龍の像がある塩浸温泉も駐車場や周辺整備を行うなど受け入れ態勢を整えた。
その中で残念なのが「おいでませ」との名キャッチコピーを残し、観光PRでは一時代を築いたY県は、ドラマ中で活躍する藩士たちとは対照的に動きが見えてこなかったのは残念だった。高知県ではすでに来年の対策として「龍馬ふるさと博」の準備を進めているというのに・・・。
(トラベルニュースat 10年10月10日号)