米国の旅行業界の実情
米国の旅行会社はインターネットの普及、航空会社のゼロコミッションにより、大きな変革の時代に突入しているという。航空会社から旅行会社へのコミッションカットは1995年から始まり、2002年に全廃。この間、日本のIATA代理店にあたるARC公認旅行会社数は3万3千以上あったものが、08年には1万9千に減少した。廃業したケースもあるが在宅の業態に変えたところも多いようだ。
とはいっても米国旅行会社の55%がオンラインによる業務を展開し、新たなビジネスモデルを展開したものの、ここ数年伸び率に歯止めがかかってきたらしい。
またインターネット情報があまりにも多く、富裕層の顧客は「どの情報が正しいのかわからないが、自分で調べるのには時間がかかり過ぎる」といった考えがあり、専門知識を持ち人的ケアのある旅行会社が見直されているという。錯綜する情報の中から自分の求めているものを自分で探すよりは信頼できる旅行会社に頼んだ方が、有効な時間を使えるというわけだ。
いってみれば米国ではインターネットによる旅行市場は成熟し、価値ある旅行商品を造成できるヒューマンタッチの旅行会社が求められており、これは米国だけでなく日本でも同じことが言えるのではないか。
(トラベルニュースat 10年11月10日号)