手数料、値上げに思う
旅館業界は、じゃらんネットが2011年から実施する宿泊利用率の2%を利用者に付与する新たなポイントプラグラムの付与分を宿泊施設に請求するのは、実質的な手数料の値上げだと、反発を強めている。
箱根温泉旅館協同組合は同ネットを運営するリクルート旅行カンパニーと協議し、宿泊5団体や国際観光旅館連盟近畿支部も撤回を要請するなど、活発化の様相だ。箱根温泉旅館協同組合との話し合いの内容についてはリクルート旅行カンパニー側が12月28日までに回答することになったが、旅館業界が望む結果が得られるかどうかは、わからない。
ただ今回、問題だと思うのはリクルート側が「じゃらんの利益ではなく集客増のため」と言い、「カスタマーの利便性の向上」を挙げているが、旅館側のことも考慮に入れた施策ならば、なぜ「事前通告されずに、一方的な通知」だったのか、ということである。また「旅館の2%全額負担」についても送客側にありがちな「客を送ってやっている」という姿勢はなかったということも視野に入れておいた方がいい。
それが、いい悪いではなく、じゃらんは顧客優先、顧客満足のためのシステムを考える企業であり、旅館業界のための"救世主"でないことだけは知っておきたいと思うがどうだろう。
(トラベルニュースat 10年12月10日号)