お客様の信頼が利益に
今年のゴールデンウイーク(GW)ほど、観光客がどのような動きをするのか、気になった年はなかったかもしれない。GWがガラガラになれば今後の見通しは立たないと考えていた経営者が多く、実際にGW間際まで客は入らなかったという。
西日本の旅館の場合、蓋を開けてみると後半の6、7、8日は振るわなかったものの前半は満館になったところがほとんどで、厳しいなかでも観光客が動くことがわかって、ホッとしたという。かといって状況が変わるわけではないので、観光客が国内旅行に出かけやすくする仕掛けは国や行政だけでなく、各温泉地や観光地の民間業者が知恵を絞っていかなくてはならないだろう。
様々な環境変化で我々観光業界を取り巻く状況は厳しい。しかし、そういう中で、しっかりと利益を上げている企業もある。
ある土産物メーカーが運営する立ち寄り施設では、訪れる客の人数は落としたが利益は前年を上回ったという。その理由を聞くと「何カ月たっても食べることのできる商品は売りません。長くても3、4日すれば賞味期限が切れる商品を提供し続けてきたことが、今の時代になって評価されているのだと思います」という返事だった。お客様に信頼を得る商品―。この誇りと自信が利益を生むことをあらためて確認できた。
(トラベルニュースat 11年5月10日号)