「車の両輪」を目指そう
5月から6月の初旬にかけては、各地の旅行業協会の総会シーズンにあたる。受入施設で構成する協力会の総会も同時開催され、「共に『車の両輪』で前進しましょう」との「確認」が行われる。
先日、取材に行った静岡県旅行業協会では「湯~旅プラン」という企画商品を造成しており、ここ数年、順調に数字を伸ばしている。このプランに参画する旅館は通常の手数料より少し高めの18%で取引するかわりに事前振込みか、当日支払いが条件になっている。旅行会社にとっては手数料が高くて儲けにつながり、旅館も支払い面での心配がないという点でお互いがメリットを見出しており、それが成果として表れているのだろう。
今期は「湯~旅プラン」の発展型として9―12月まで山梨県の石和温泉で、地域限定版を実施するという。期間中に2万人を送客するが、手数料も通常プランより高額を設定。精算方法は「湯~旅プラン」と同じ条件だが、これで共に今年の難局を乗り切ろうというものだ。
石和温泉では約10軒の旅館が参画し、周辺の立ち寄り施設も協力体制をとる。今回成功すれば、今後も他地域でも取り組むのだそうだ。
厳しい時だからこそ静岡県のように具体的な「儲け」の数字を見出し、「車の両輪」といいたいものだ。
(トラベルニュースat 11年6月10日号)