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地旅の醍醐味とは

11/11/11

着地型旅行(地旅)は、日ごろの業務が忙しくて時間がなく、誰が買ってくれるのかわからない、そして収益も出ないー。だから取り組めないと中小旅行会社の社長はおっしゃる。

しかしながら、ある旅行会社は地域の著名なお城をからませて地旅商品として販売。収益としては寂しいものだったそうだが、その商品を造ったことで地域の人たちと親しくなり、300万円の発地型の仕事を手に入れたという。地旅商品の狙いを地でいった、この好例こそ地旅の醍醐味ではなかったか。

地旅商品については観光協会やNPO法人のまちづくり会社などが旅行業免許を取得し、その地域ならではの素材を盛り込んだ商品造成を行っている。そういった商品とタイアップしていけばひとつの突破口が開けると思うのだが、どうも両者は噛み合わない。

そうこうしているうちに大手旅行会社が各支店ベースで地域に根付き、地域住民と一体となった新たな着地型スタイルを構築する動きを始めている。

旅行会社は業態変化の大きな転換期にある。作家・堀田善衛が書いた「インドで考えたこと」(岩波新書)の結びのなかで「アジアは生きたい、生きたいと叫んでいる。西欧は死にたくない、死にたくないといっている」。着地型の取り組みを見て、ふと、この言葉を思い出した。

(トラベルニュースat 11年11月10日号)

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