"原点"伝える営業を
この2、3年、定期的に九州特集を行っている。なかでも熊本・阿蘇については年4回、四季にあわせて発行してきた。旅行会社があまりご存じない情報や、よく知られた観光施設ではないところを取り上げるなど、常に新しい情報を提供できる紙面づくりを行ってきたつもりだ。
ところが―。1年たってみると「阿蘇山って、どの山?」という質問をする旅行会社の社員が少なくないことがわかり、驚いた。それが1月25日号の阿蘇特集の広告で「阿蘇に阿蘇山という山はありません」というキャッチコピーにつながった。
この特集を見て「へぇー、阿蘇山ってないんだ」と話す旅行会社社員も結構いるそうで、新しい違った情報よりも根幹な部分の情報が伝わっていないのか、よくわかった。
インターネットなどで簡単に情報が得られるようになり、ネットですべてがわかる時代と思ってしまう、ある意味で"勘違い"の情報通が増えているのとは対照的なのが、我々の観光業界なのかもしれない。
今回の阿蘇の件でわかるように、旅行会社へセールスに回る際、「これぐらいは知ってもらっている」とは思わず、もう一度それぞれの地域や施設の情報をきちん伝えた方がいい。
知ってもらっている、という考えではなく、再度原点に立った営業が必要であるように思う。
(トラベルニュースat 12年2月25日号)