ツアーバスの規制緩和
国土交通省の「バス事業のあり方検討会」はこのほど、長距離を運行する高速ツアーバス事業者に対して平成25年度までに乗合バスに移行することを求める報告書をまとめた。
報告書では乗合バス事業者が運行する「高速乗合バス」、旅行会社が運賃やスケジュールを決めて運行を貸切バス会社に委託する「ツアーバス」の競争条件をそろえる新制度を導入するとしている。
これまで乗合バス事業者には道路運送法に基づく運行計画や運賃設定などについて国に事前の届け出が必要で停留所の設置も義務づけられていた。高速ツアーバスは「旅行商品」として位置づけられており、道路運送法の適用外で国への届け出や停留所の設置も義務づけられておらず、不公平さが指摘されていた。
新制度では両者を同条件にすることで「乗合バス」は繁閑期に合わせて料金を増減でき、30日前までの届け出も7日前までに緩和され、外部の貸切バス業者への運行委託も認められる。一方、ツアーバスは一定のバスの所有が義務づけられ、駐車場も設置しなければならなくなる。
ツアーバスには駐車場など様々な問題はあったが、利用者には支持されてきた。これからは業界内の不公平さだけの議論だけでなく、安全面やコンプライアンスにも注力した「競争」を願うばかりだ。
(トラベルニュースat 12年4月10日号)