新たな旅館組織に思う
国際観光旅館連盟と日本観光旅館連盟が統合し、一般社団法人日本旅館協会が10月1日に発足した。
両団体の統合は1989年5月、日観連が熊本市で開いた総会の席上、緊急動議が出されたのを皮切りに、断続的に話し合いが進められてきた。
2006年には合併に基本合意し、いよいよ統合かと思わせたが、最終的には白紙に戻ってしまった。昨年の総会で両団体は合併決議を行い、今年の4月に新団体発足の準備を進めたものの間に合わず、ようやく今回の新団体発足となった。
18日に行われた設立記念式典には400人が集まり、新団体の発足を祝った。関係者にとって笑顔の1日だったが、諸々の組織運営の話し合いはこれからだ。
佐藤会長は式典の席上で「協会は真に会員のために有効な施策を立案実行し、会員は自らが何ができるかを常に考えて行動することが求められています。自らは自らの力で乗り切るしか手立てはありません。この自らはすなわち日本旅館協会そのものです。会員の力を結集して、荒波を乗り切ろうではありませんか」と話している。
その通りだと思う。だからこそ会員が「自ら考え行動しよう」と姿勢を吸い上げて、会員の思いが反映される新組織が誕生することを願ってやまない。
(トラベルニュースat 12年10月25日号)