LCCと旅行業界
関西空港で10月末、LCC(格安航空会社)専用の第2ターミナルがオープンした。
第1ターミナルは1500億円をかけて作ったが、新ターミナルは18分の1の85億円で完成した。平屋建てで天井や内部は鉄骨がむき出し。見た目はプレハブ倉庫とも言われるが、同ターミナルの完成で関西空港では本格的なLCCの体制が整ったことは間違いない。
ピーチ・アビエーションの井上慎一社長は「LCCの基盤が完成した」と話し、関西空港の安藤圭一社長も「LCA(ローコストエアポート)のスタート」と、今後も拡張していく方針だ。
本格的なLCC時代に入り、旅行業界では「これだけ安く飛行機を飛ばされ、個人客が移動するようになれば我々の商売は先が見えている」と嘆く声が多い。しかし、ピーチ社では一般客の利用とは別に旅行会社にも積極的に販売してもらって、利用客の30%は旅行会社が取り扱うようにしたい考えを持っている。
旅行会社には旅行商品をパック化して新しい需要を掘り起こしてほしい、というわけだ。もちろん、クリアしなければいけない諸問題、諸事情はあるだろうが、門戸を開いているピーチ社に対して旅行業界はもっと積極的な働きかけをしてもいいのではないか。
(トラベルニュースat 12年11月10日号)