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地域が疲弊する催し

13/01/30

県や市が主体となって行う大掛かりな博覧会などのイベントは、えてして観光シーズン真っ只中に行われることが多い。

目標人数を達成しないと関わった者の責任問題になりかねないからわからなくもないが、民間業者からすると「何もしなくてもお客が来る時期に多額のお金を投じて行わなくてもいいのに」というのが本音のところだろう。閑散期にやってくれればどれほど助かるかわからない、という思いであるに違いない。

しかし、ある知人によると「イベント会場の入場数が達成できれば成功というのはおかしい。イベントは基本的には地域の活性化のために行うもので、イベントを行って人を集めることが目的ではないはずだ」。

実際にイベントが開かれたことで知人の施設のみならず周辺の民間施設の入込みは、どこも例外なく減少。イベント会場に人は集まったものの周辺の民間施設が疲弊していては何のためのイベントか、という。

観光業界で著名な立場の人が「最近、観光に見向きもしなかった者まで観光という言葉を使うが、どこまで観光のことを理解しているのか」と話しておられたが、その通りだと思う。観光が世に広まったことで観光に対する取り組みが素人化し、本末転倒の施策ばかりと思うのは筆者だけだろうか。

(トラベルニュースat 13年1月25日号)

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