商売敵にも学ぶ姿勢
先日、大阪にある旅館の直営案内所の会がインターネットでいかに集客するかを学ぶ会合を開いた。
大手旅行会社が運営するウェブ会社の担当者を講師に招いて行ったその会には、通常よりも多くの参加者があり、会を運営する執行部を喜ばせた。
しかし、よく考えるとインターネットでの集客となると、どちらかといえば直接生身の旅行会社を営業に回ることが仕事の案内所の人たちにとっては、商売敵になる。ウェブ会社にしても直販売で顧客を集める方法を講演で話しているのだから、旅館の経営者を前に話をするのとは多少勝手が違ったかもしれない。
とはいうものの、実際にインターネット予約がどのような状況下にあるのかを直接聞き、自分たちの仕事をどのように進めればいいのかという判断材料になればと執行部は考え、講演会を開いたのだろう。
要は商売敵であろうとなかろうと、会員が今何を求めているのかを捉えて講師を呼んでいるに違いない。今回は大手旅行会社の関連会社ということもあり、多くの参加者があったのかもしれないが「会員主体」というスタンスは大事だ。
時には読み違うこともあるだろうが、それでもタイムリーな話題を提供できる講師を呼び続け、会の運営を前向きに進めてほしい。
(トラベルニュースat 13年3月10日号)