旅番組と釣~リズム
休日にテレビをつけチャンネルを変えていくと、必ずと言っていいほど旅や食に関連する番組が放送されている。多チャンネル化の影響もあるだろうし、視聴者に受けるコンテンツなのだろう。二番煎じ、三番煎じのような番組も少なくはないが、それしても半端な数ではない。
そんなことを思っていたら先日、観光セミナーで面白い話を聞いた。大阪府下の着地型旅行や地域振興に取り組むプロデューサーのオダギリサトシさんが今推進している「釣~リズム」。曰く、現代の日本で地方色が際立つのが釣りの方法と魚食なのだという。ある地域では名物の魚が別の場所では外道扱いにされていたり、同じ魚でも調理方法が大きく異なったりする。物流や情報網が発達し地域間の差異がなくなりつつあるけれども、こと魚に関しては頑なに地方色が残っている。
オダギリさんはそれに着目して「釣~リズム」という造語を考えた。言葉尻からは釣り愛好家を対象にしたように思われがちだが、それだけではない。オダギリさんは「ぐるぐるナインティナイン」「満点☆青空レストラン」「いきなり黄金伝説」などのテレビ番組名を挙げて「皆さんの地域で釣~リズムに取り組めば、番組制作者が飛びつきます」。多番組化を逆手に、テレビ局を使う手立てを説く話に納得した。
(トラベルニュースat 13年8月25日号)