蒲郡観光の姿勢に学ぶ
愛知県の蒲郡といえば三谷、蒲郡、形原、西浦の4温泉があり、現在27軒の宿泊施設がある。客室総数は約1300室、総宿泊人員は6000人。
客室あたりの平均収容人員は4.6人で、団体型旅館が大半を占めていることもあり、2005年の愛知万博では101万人の宿泊客があったが、その後減少傾向が続き、昨年は約70万人だったという。
そういう状況下にあって、蒲郡市では地域性を重視した長期滞在型観光やエコツーリズム、ブルーツーリズム、ヘルスツーリズムといった4つの取り組みを開始。それぞれ具体的な動きをみせはじめ、成果をだしつつある。
4温泉もこれまで各温泉地が個別で誘客活動やPRなどを行ってきたが、現在は「がまごおり温泉郷」として一本化し、蒲郡という地域を売ろうとする動きに変わってきている。また各温泉の旅館組合主体から観光協会主体に移行し、観光業だけでなく地域住民や農業、漁業を巻き込んで地域間競争に挑んでいるといってもいい。女将の会「こはぜの会」の地域と大きくかかわった取り組みも評価したい。
民間と行政が一体となって取り組む蒲郡観光の姿勢は、派手さこそないが着実な歩みを進めているように思える。
(トラベルニュースat 13年9月10日号)