アートが集客の要
2010年と13年に香川県と岡山県で開かれた瀬戸内国際芸術祭は、どちらとも約100万人が訪れ、アートで集客できることが立証された。これからも芸術祭は3年に一度の開催が決まっており、次回は16年に開かれる。
このアート人気を継承しようと、芸術祭の会場の1つだった小豆島では「芸術の火を灯し続ける」として、今年と来年、芸術祭を機に設けられたオブジェを見てもらえるよう整備するという。
道後温泉でも昨年末から今年末まで道後温泉本館改築120周年を記念し、温泉街全体を美術館に見立てたイベント「道後オンセナート2014」を展開中だ。なかでもイベント期間限定でオープンする「アートホテル」に注目が集まっている。アートホテルとは旅館ホテルの1室を前衛芸術家の草間彌生さんや詩人の谷川俊太郎さんらのアーティストが自由にデザインした客室のことで、宿泊できる。
当初はあまり乗り気でなかった旅館経営者もプレオープンの段階でマスコミや一般客からの反響の大きさに驚いた。「アートホテルにかかった費用はすでに取り戻した」という経営者もいるほどだ。
温泉とアートの造語から生まれたこのイベントが新たな地域活性化のモデルになることを期待したい。
(トラベルニュースat 14年3月10日号)