竹田城跡人気の陰に
兵庫県の竹田城跡は「天空に浮かぶ城」「日本のマチュピチュ」として人気を集め、2013年12月末で43万4千人が訪れた。09年度と比較すると12倍以上増えているのだという。多くの観光客が押し寄せて石垣が崩れたりして入場規制を行いつつも、今なお多くの観光バスや個人客で賑わっている。
城跡がある朝来市では20数年前からこの城跡への誘致活動を行ってきた。しかし反応は今ひとつだった。観光客がじわじわと増えだしたのは、06年に「日本100名城」に選ばれたのがきっかけ。その後、雲海の写真や映像がメディアに取り上げられ、高倉健さん主演の映画ロケ地となり、訪れる人が急増した。
竹田城跡が世に出る前からアピールに力を注いできた関係者は「いくら宣伝しても見向きもされませんでした。今の状況はある日突然という感じです。天空に浮かぶ城、日本のマチュピチュといったキャッチフレーズが人々の関心を集めたようです。キャッチフレーズの重要さを実感すると同時に、そこにしかない魅力あるものという自負があっても情報を発信し続け、知っていただかないと観光地は存在しないのも同じ」と話している。
竹田城跡ブームを見て、キャッチフレーズと長期に渡る情報発信の重要性を実感する。
(トラベルニュースat 14年3月25日号)