列車の旅の面白さ
九州ではJR九州が日本初のクルーズトレインと銘打った豪華列車「ななつ星in九州」をはじめとするユニークな列車を運行し、人気を集めている。また肥薩おれんじ鉄道は観光列車「おれんじ食堂」を走らせ、ゆっくりと景色を楽しみながら食事を味わうことができる。
関西では近鉄が大阪難波・名古屋と賢島を結ぶ観光特急「しまかぜ」を走らせている。列車の旅は鉄道ファンだけでなく一般観光客にとっても心和ませるものがある。それが各地で新しい列車の誕生につながり、支持を得ているのだろう。
JR西日本や東日本でも新しく豪華列車を走らせる準備を進めており、次々と新しい列車が誕生するのは喜ばしいことだ。しかし列車のデザイナーがあまりにも同じ人物に偏っていないだろうか。このデザイナーについて云々するつもりはない。同一人物だとパターン化してしまうことを危惧するだけだ。
今でこそ全国各地の大型旅館は個性化を図っているが、以前は外観とフロント周りを見るだけで、どこの設計会社が手がけたかがわかるぐらい、どこも同じような造りになった時代があった。列車も下手をすると、この時の旅館のようになってしまう。各地域で地域らしさあふれる列車が走れば、列車の旅の面白さに幅が広がるのではないか。
(トラベルニュースat 14年4月10日号)