貸切バス新制度に思う
ここ数年相次ぐバス事故に対応するため、国土交通省は4月1日から貸切バスの新運賃・新料金制度を施行した。
詳細については本紙1面をお読みいただければと思うが、要はこれまで貸切バスは1日いくらといった料金算出だったものから走行距離、走行時間、回送時間、点呼清掃までの時間を合計して下限と上限の料金を設定する「時間・キロ併用制運賃方式」ということになった。
新制度によってバス会社の利益を確保することで適正な人員配置や労働待遇の改善を行い、安全面を考慮したビジネス環境を再構築しようというわけだ。新制度の特徴は違反した場合、バス会社への行政処分が強化されただけでなく、安全を阻害するような疑わしい行為をした旅行会社に立ち入り検査を行い、旅行会社にも責任が問われるようになっていることだ。
あるバス会社は「これまでの認可運賃と実勢運賃の差がありすぎました。実勢運賃からすると値上げになりますが、認可運賃からすると値下げになります」と前向きに捉えている。実勢運賃で慣らされ、動いてきた旅行業界だけに新制度への理解と対応はすぐにはできないかもしれない。しかし新制度を安全・安心な旅行業の一里塚と前向きに捉え、業界全体の努力をお願いしたい。
(トラベルニュースat 14年4月25日号)