試験にバスの新料金
今月は業界団体の賀詞交歓会や新年互礼会などが相次いで開かれている。旅行業関連のあいさつで昨年を振り返って出てくる話題が「消費税アップ」と「貸切バス運賃・料金制度の改正」による厳しい業界環境のことだ。
なかでも貸切バス料金に関しては、大手旅行会社でも旅行代金が上がり募集旅行を造って告知しても人が集まらないので商品を造成しないといった声が出ている。ある中小旅行会社は毎年恒例となっている大阪から信州への2泊3日のツアーを行ったところ、これまで14万円だったバス料金が27万円近くになったという。今年はツアーを催行したが、長距離のバス旅行を続けるのはむずかしいのでは、と嘆いていた。
その一方、バス会社系の旅行会社は「これまでのバス料金が安すぎた。今回の料金制度の改定で、ようやく利益が出るようになった。新料金に慣れるまでこの1年は厳しいかもしれないが、1年後には新料金が定着するだろう」と歓迎している。
2年後にこの制度の見直しを期待する旅行会社もいるが、昨年秋に行われた旅行業の主任者試験で、貸切バスの新料金の算出方法が問題に出たというから、国はこれを粛々と進めていく考えなのだろう。しばらくは旅行業界がどのように動くのか注視していきたい。
(トラベルニュースat 15年1月25日号)