関西から北陸へ送客
北陸新幹線が3月14日に開業した。今年に入ってニュースやワイドショーなどテレビを中心としたマスコミは北陸新幹線一色。あれだけテレビで毎日のように石川県や富山県の観光地や食が紹介されると、一度は行ってみたい気分になるに違いない。
東京目線の報道に湧く北陸は関西にとって「今まで付き合っていた恋人が金持ちになびき、振り向いてくれなくなった」との嘆きから始まり、最近では「昔からの恋人を金持ちに取られた」といった愚痴も出ている。新幹線開業で東京駅―富山駅間が2時間8分、東京駅―金沢駅間が2時間28分と大阪よりも短時間で結ばれたのだから、首都圏になびくのも仕方がないのかもしれない。
ある北陸の旅館経営者によると、関西のマスコミからの取材も増えてきているのだという。もっとも、その中身は「恋人問題」に対してどのように思うのかといった少々自虐的なものが大半だったらしい。
これまで関西の旅行会社は顧客に北陸を勧めても「見るところがない」「何度も行ったからいい」といって送客できにくい状況下にあった。北陸新幹線でJR西日本も列車を使った素材の提供や宣伝も活発化させている。新幹線を契機に改めて北陸観光を見直し、幼なじみの存在価値をアピールしたい。
(トラベルニュースat 15年3月25日号)