「車の両輪」を再考
旅行会社と旅館ホテル、大手旅行会社と提携している中小旅行会社などはよく「車の両輪」の関係に例えられる。
車の両輪は同じ大きさでなければうまく進めない。大きさが違うと、同じところをぐるぐる回っているだけになる。
先日、ある旅行会社の協力会総会では、観光のあり方や旅の方向性をじっくり膝を突き合わせて協議していた。事業を進めるために車軸がうまく回転するよう時間をかけていたのが印象的だった。
またある協定連盟の参加者は「この連盟は、受入施設の側に立って商品造成し、送客してくれるのがありがたい」と、もう一方の車輪の状態を注視している様子が見てとれた。
反面、ある提携販売店の担当者が親会社の海外研修に参加し「高飛車な態度の社員ばかり。『売ってください』と媚びる必要はないが、お互いが協力しあって販売しようという態度がとれないのか。だからこの会社はダメなんだ」と憤っていた。
個人化や旅行会社離れが叫ばれる今だからこそ、再度「車の両輪」の意味を考えたい。その2つの車輪で誰を乗せるのか、そしてそれは安全なのか、乗り心地は良く快適に運んでいけるのか―。もし、不安に思うのであれば互いにメンテナンスをしよう。決して遅くはない。
(トラベルニュースat 15年4月25日号)