目まぐるしいGW
様々な調査で過去最高の旅行者数が予想されていたこのゴールデンウイーク。多くの観光地が賑わったと聞くが、何だか目まぐるしさも感じた1週間だった。
意図的とすら思えるタイミングで届いた「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録勧告。一昨年の富士山、昨年の富岡製糸場に続く朗報だ。しかも、この遺産は8県23施設からなり、旅行企画のシリーズ化など効果が広く波及しそうだ。同分野で連続性のある複数の資産を指す「シリアルノミネーション」という言葉は、広域観光の可能性を示すものとして記憶しておきたい。
反面、ネパールでは大地震があった。日本人を含め多数の死傷者が出て、世界遺産を含む貴重な文化財が壊れた。たまたま知人が行っていたが、すぐにメールで無事を確認できた。昔、トルコで地震に遭った知人の安否に手間取ったことを考えると隔世の感を抱いた。
箱根では火山性地震が続いている。昨年の御嶽山の記憶も生々しく、安全第一なのはもちろんだが、ことさらに不安をあおる必要はないのではないか、とテレビ画面に向かってひとりごちた。普段は昼間のテレビとは無縁の身。風評が生産される現場を生でみた気がした。
それにしても次々に膨大な情報量。惑わされずにいるのも難しい。
(トラベルニュースat 15年5月10日号)