新幹線効果の持続を
3月の北陸新幹線金沢開業で、観光客の流れが大きく変わり、それも数字に表れているようだ。
先日金沢で開かれたJTB旅ホ連の総会で髙橋広行JTB社長は「主力商品エースの首都圏から北陸への販売高は4、5月で前年同期比480%だった」。総会に出席した石川県の谷本正憲知事も新幹線が金沢に来ることで、自らトップセールスによって1千人以上の会議を50本誘致してきたと明らかにした。
JR西日本によると上越妙高―糸魚川間は開業3カ月で約246万人が利用したという。開業前の在来線特急「はくたか」「北越」と比較すると開業1カ月で前年同期比293%、2カ月で同310%、3カ月で同325%と伸びている。
JR金沢駅周辺はインバウンドを含む観光客で賑わい、髙橋社長は「北陸はこれからのゴールデンルートになる可能性があり、修学旅行やMICEなどの新しいデスティネーションとして確立できる」と指摘。この勢いを開業効果による一過性のものにするのではなく、国内外に北陸観光が定着する好機だと、官民ともに見通しているのが心強い。
北陸新幹線は、構想から実に50年を経ての開業だった。地元の感慨はひとしおだろう。すでに線路は敷かれた。この先50年を照射する北陸観光の挑戦を期待したい。
(トラベルニュースat 15年6月25日号)