ふるさと旅行券
全国各地の自治体がいわゆる地域創生交付金を用いて発行し、旅館ホテルの宿泊やツアーに使えるお得な割引クーポン「ふるさと旅行券」。
早々に売り切れたり、オークションサイトに転売するなど物議を醸すこともあったが、ある旅館によると「7月になってからふるさと旅行券を使った予約が入りはじめ、その金額は数百万円にもなって助かっています」という。この旅館に限らず夏の旅行需要を押し上げるのは間違いないだろうし、旅行券があるからこそ旅館に泊まってみようということにつながるかもしれない。
ただ、この動きを今回限りの特需で終わらせてしまってはもったいない。この機会に旅館の素晴らしさを伝える術は考えられないだろうか。さらにいえば地域の観光素材を知ってもらい、楽しんでもらえるよう働きかけられないだろうか。
過去、多くの宿泊客が押し寄せた場合、その対応に追われて次にまた来てもらおうという姿勢に欠ける旅館は少なくなかった。
せっかくふるさと旅行券を使って多くの人が旅館を利用し、地域を訪れるのだ。旅館と地域の魅力を最大限発揮し、リピートしたいと思ってもらえるように、まずは「また来てください」という気持ちを旅館がリードして地域全体で醸し出したい。今回はそのチャンスだ。
(トラベルニュースat 15年7月10日号)