バスツアーで地域協働
「バスに乗って出かけよう~」という大手旅行会社のテレビコマーシャルをひんぱんに目にする。「大人旅」としてターゲットも明確だ。
今年4月、貸切バスの運賃・料金制度が完全施行された。それから5カ月。施行前は新制度に対して要望書などの提出を国に対して旅行業界で行っていたが、流れを変えるに至らないまま進んだ。バスツアーが大きな集客源だった観光地では入り込みが激減し、立ち寄り施設、旅館ホテルも含め地域全体が青息吐息になりつつあるところも出てきた。
そうした状況を打開しようと、各地でバス旅行への支援策が出された。実際に成果を挙げているところも聞く。ただ、ある県では支援事業として募集型企画旅行団体、受注型企画旅行団体のいずれもバス運転手2人配置でバス1台に付き多額な助成を行い、話題となった。しかし運転手不足がネックになり、思ったほどの結果は出ていない。別の地域では募集型企画旅行だけでは集まらず、受注型も認めるなど条件を緩和したところもあった。
自治体の助成は国の交付金によるところが大きく次年度以降も継続できるのか、はなはだ疑問は多い。大手旅行会社のコマーシャルもその対応の一手だろう。国内バスツアーに対する大波に抗う策を地域と一緒に立てることはできないか。
(トラベルニュースat 15年9月10日号)