着地型観光のモデル
先日、旅館ホテルと地元旅行会社、地域の3者が一体となって着地型旅行を推進する地旅の宿ネットワーク・九州ブロック会の研修会に参加した。
研修会は昨年に続いて2回目の開催で、参加した旅館からは地域の素材を生かしたその地域ならではの取り組みを聞くことができた。旅行会社側が先導して始まった研修会だが、1年を経て旅館ホテルの本気度を感じさせた。
あるホテルは、宿泊客に翌朝のウオーキングを勧めている。女将らホテルスタッフがホテル周辺を案内し、戻ってきて地元の素材を使った朝ごはんを提供する。著名な観光スポットを歩くわけではないが、朝ごはんを美味しく食べられると好評で、1万人もの宿泊客が参加、着地型のヘルスツーリズムとして広く知られる取り組みになっている。
旅館ホテルが地域ならではの素材を掘り起こし、地域の人たちと磨き上げ商品化する。それを地元の旅行会社がエッセンスを加えて発信、誘客の一助を担う。宿よし、地域よし、旅行会社よしの「三方よし」が地旅の宿ネットワークのねらいだ。
着地型観光が全国的に広がるなか、この九州ブロック会がビジネスモデルを確立させ、地域活性化、地域創生をけん引する存在になってほしい。
(トラベルニュースat 15年9月25日号)