業界の業態変わる年
早いもので年内の発行号は今号で最後となる。貸切バスの運賃・料金改定や民泊、旅館の耐震改修問題など観光業界の業態を揺るがし、根底から見直さなくてはいけないことを改めて考えさせられる1年だった。
貸切バスの料金改定で料金は大幅な値上げになった。一部のバス会社では運転手の待遇がよくなった面はあるものの、運転手不足などバス会社にとって問題は山積している。
旅行会社もバス料金の値上げで中部や関西などから遠方の観光地や温泉地へのバスツアーがゼロになったケースもあるという。バス料金が上がったことを消費者が理解し始めたという旅行会社がある一方、料金が上がったことでバス旅行そのものがなくなってしまったと話す旅行会社もあり、意見は真っ二つに分かれる。いずれにしても自然災害などを要因としない中で、今年ほどバスツアーが減少した年はないのではないか。インターネット隆盛によるリアル旅行会社離れも年々深刻になっている。
旅館業界も、急増する外国人観光客の受け入れ先として国が主導する民泊の解禁に対して反対の姿勢を示し、莫大な費用がかかる耐震改修問題に頭を痛めている。訪日外国人客で注目される観光業界だが、一つずつ問題を解消していく決意で新年を迎えたい。
(トラベルニュースat 15年12月10日号)