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松山城のパンフレット

16/09/12

ここ数年、城ブームといわれる。兵庫県の竹田城が「天空の城」として脚光を浴び多くの観光客が訪れ、最近では岡山県の備中松山城も「第二の天空の城」として注目されるようになった。福井県の越前大野城もそうだ。天空の城がブームをけん引しているが、全国には「歴女」や外国人観光客を唸らせる個性豊かな城が点在する。

その一つ、愛媛県松山市の「松山城」。戦国武将の加藤嘉明が築いた難攻不落の城で、天守は現存する12の一つでもある。それだけでも希少性のあるものだが、その個性をさらに際立たせたのが、松山市が作成した「難攻不落の松山城を攻略しよう」と掲げたユニークなパンフレット。

文庫サイズ(A6版18ページ)で携帯しながら、城内の構造や狙いなどを写真とともに解説し、城攻めの気分で見学できるというもの。松山市では従来から修学旅行生に城攻めする要領で城内を案内しており、要は、難攻不落なのだから気軽に登らせてなるものか、と逆説的に作り上げたのだとも言える。

城の特徴を捉え、観光客が城に何を求めているかを見据えた松山市の取り組み。城の成り立ちや歴史を紹介するだけではなく、松山城ならではのストーリーをパンフレットに盛り込んだことで、ここだけの価値を創出したのだ。

(トラベルニュースat 16年9月10日号)

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