青年部よ、大志を抱け
アベノミクスの取り組みとしてGDP600兆円という大きな命題を掲げ、観光面においても注力する姿勢が示されている。訪日外国人旅行消費額は2020年に8兆円、30年に15兆円を目指す。国内旅行消費額は15年の18.4兆円を20年に21兆円、30年に22兆円に引き上げるという。国内消費額は宿泊、日帰りとも減少傾向にあり、かつ国内人口も減っていく中で、プラスに転じようというのだから意欲的だ。
国内市場の拡大に向けては年次有給休暇の取得を向上させ、休暇取得の分散化やふるさと休日の設定などを行い、国内旅行を活性化させようと考えている。地域創生のための日本版DMOの推進も、市場拡大の一連の流れの中での布石といえる。
国がこうした観光振興に取り組むなか、次代を背負う全旅連青年部の存在は大きい。国がいくら力んでみても、旅行消費額に占める割合が高い旅館ホテルがソッポを向いていては前には進まない。旅館ホテルの地域への経済波及効果を考えると自明の理である。全国の青年部員がわが宿だけではなく、地域を含めた観光振興に対して、その気にならなければ、地域の活性化はありえない。
3年後に設立50周年を迎える青年部に、観光振興の旗振り役として大志を抱いて存在感を示す役割を担ってほしい。
(トラベルニュースat 16年10月10日号)