業界の役員改選に思う
5、6月は観光業界団体の総会シーズンで例年慌しさを感じる。今年度は特に、2年に一度の役員改選期に当たり、業界内は慌しさを増している雰囲気だ。
役員改選を傍らから見て思うことは、役員候補者が何のために役員になろうとしているかである。さすがに今は絶滅危惧種だと思うが、かつては何もしないで一定の任期を経たらもらえる勲章を目当てに役員にしがみいている人を散見した。
業界組織のためにビジョンを持って活動し、その結果としての叙勲なら、何も言うことはない。むしろ、そういった人はもろ手を挙げて応援したい。しかし一時期は、業界の活性化を妨げている人が役員ということも少なくなかった。観光業界を取り巻く環境が厳しい現在こそ、しっかりとした人が役に就いて、活動していただきたい。
ある旅行業界の幹部が旅行業に携わる人に対して「我々の仕事はお客様が何事もなく無事、旅行から帰って来られて『ありがとう。よかったよ』と言ってもらえることを無上の喜びに感じる者しか、携わってはいけない。商売だから儲けも必要だが、そればかりが先行しすぎると旅行業はおかしくなる」と指摘していた。
業界団体の役員もまた業界が良くなることを第一に考え、行動してもらえる人物が選ばれてほしい。
(トラベルニュースat 17年6月25日号)