真の「車の両輪」の時代
先日、旅館ホテル案内所の総会に出席した。総会に続いて、大手旅行会社の役員が旅行業を取り巻く環境の変化や、自社が抱えている問題、今後取り組もうとしていることなどについて講演した。
講演後に行われた懇親会に、その役員も出席したのだが各テーブルに自ら出向き、会員である案内所の1人ひとりと名刺交換を始めた。その姿に正直驚いた。
参加している人たちが少なかったとはいえ、大手旅行会社でそれなりの立場にいる人が案内所の人たちのもとへ自ら足を運ぶ、という光景を見ることはこれまであまり目にすることはなかった。この役員の姿勢は、自社を根底から変えていこうとする決意を示すものだと思った。
この会社だけのことではなく、どちらかと言えば旅行会社は受入施設に対して“高飛車”だった。ところがここ数年で、受入側とのコミュニケーションの姿勢に変わってきた。OTAや直販サイトの台頭が、自らの存在感を考え直すきっかけになっている。
旅行会社と受入機関が対等の立場で話ができる気運が高まった、と言っても過言ではない。逆に受入機関が旅行会社へ“上から目線”の傾向にあるのが気になるものの、これからが本当の意味での「車の両輪」になることを望みたい。
(トラベルニュースat 17年10月10日号)
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