原点回帰で需要生む
団体客が減ったと言われて久しい。確かに大型団体は以前のような数はない。しかし、旅行会社の若手経営者数人は異口同音に「提案次第でグループ客は掘り起こせるし、満足度を高めるよう対応をすれば仕事はいくらでもある。仕事がないと言っている人は営業をしていないからだ」と言い切る。
先日も、インターネットを通じて社員旅行の仕事を次々に受注している経営者から「社員旅行や職場旅行など団体旅行に特化した仕事で利益を出している」と聞いた。今どき社員旅行や職場旅行をする会社はどれだけあるのかと懐疑的に思いがちだが、実は旅行の企画内容次第で確実に需要はあるそうだ。もちろん、以前のような宴会で騒いで上司に酒を注いで回るようなものではない。社内のチームワーク向上やモチベーションアップなど、その会社が求めているものを捉え、旅行として提案することが仕事につながっているのだという。
要は手垢のついた、ありきたりのツアーではなく、顧客目線の付加価値があるツアーを造成しているというわけだ。何も特別なことをしているわけではない。本来の旅行業のあり方を実践しているだけなのだ。旅行業の原点に回帰することが、新たな需要を生み出している。旅行業界全体がそうあってほしい。
(トラベルニュースat 18年4月25日号)
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