鳥羽の奥野さんを偲ぶ
三重県鳥羽市の鳥羽市温泉振興会で発足当時から事務局長を務めてきた奥野和宏さんが9月末に亡くなった。奥野さんと弊社の関係は深く、弊社先代社長の故・田野貴一が営業部長を務めていたころからになる。
当時は鳥羽シーサイドホテルに勤務され、現在の同ホテル建て替えの際に大きな役割を果たされた。弊紙では、鳥羽を代表する旅館ホテル経営者を集めて座談会を幾度となく開いたが、つねに奥野さんと相談しながら進め、話題豊富な座談会となった。今も続く伊勢志摩や鳥羽の特集もそのつど奥野さんからアイデアをもらってタイムリーな紙面を続けられた。古い名作映画を見て地域を見直す「観光地映画祭」を弊社の発案で開催する際も協力体制を敷いていただき6年続けた。結婚30周年を迎えた夫婦を祝う「真珠婚」や、大型クルーズ客船を見送る「赤いハンカチ」なども奥野さんの発案だ。
奥野さんはいつも伊勢志摩、鳥羽という地域を思った。20年も前から一旅館云々で物事を捉えず、伊勢志摩、鳥羽にどのようにして観光客を来てもらえるかを考え地域内の「宝」を探し、磨き続けた人だった。勉強熱心で、常に自分でしか読めない細かい字で思いついたことをメモにまとめていた。そんな姿をこれから見ることができないのは寂しい。合掌
(トラベルニュースat 18年10月10日号)
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