“エノキアン”から学ぶ
創業200年を超えた老舗のみが加盟を許されるエノキアン協会。フランスの団体だが各国の企業が加盟している。昨年、この団体の会長に初めて日本人が就任したことで話題になった。会長になったのは江戸幕府4代将軍家綱の時代にあたる寛文9年(1669年)に創業した岡谷鋼機の岡谷篤一社長だ。
岡谷社長は300年にわたって会社を継続できた秘けつの一つとして「たゆまぬコミュニケーションが困難を打ち破ってきたことが幾度かあった」と話しており、コミュニケーション力で社内の困難を乗り切ってきたと話している。協会の加盟数は47社。ヨーロッパ企業が中心で、アジアでの加盟は日本だけだという。8社が加盟しており、旅館業界では石川県の法師が入っている。
ある調査では、日本で創業100年以上の企業は約3万3千社あり、そのほとんどが家族経営の概念を維持するオーナー企業だそうだ。エノキアン協会加盟の企業も創業者の子孫が経営に関わるファミリービジネスが中心になっているという。
既存の観光産業に携わる企業である旅館ホテルや中小旅行会社などもオーナー企業で成り立ってきた。現在どちらかといえば家族経営否定の時代だが、家族間でもコミュニケーション力を発揮する超老舗企業から学び、前進する1年にしたい。
(トラベルニュースat 19年1月1日新年号)
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