宿泊業の原点を見る
先日、旅館の女将・若女将ブログで上位にランキングされている若女将に集まってもらい弊社主催で座談会を行った。詳細については近号でお届けするが、ブログで発信し活躍する若女将たちの宿に対する熱い思いの一端を知った。
彼女たちの宿は総じて小規模。だからブログの書き込みも頻繁にできるのだ、と大規模旅館の人たちは思うかもしれない。ところが、彼女たちは仕入れ、接待、経理とマルチにこなし、私生活も充実させてブログをどんどん更新していく。一度来てもらった宿泊客に再訪してもらうことはもちろん、ブログを通じてファンを増やす。そのさまと忙しさは、まさに人気タレントと変わらない。
近畿圏の離島で宿を営む若女将は大阪に出てくるのは4年ぶり。別の若女将はブログに「2日間宿を留守にしてごめんなさい」と書いた。それほど宿に張りつき、宿泊客をもてなす気持ちを大事にしている。
しかし、彼女たちの口からは「もてなし」という言葉は出てこない。行動で「もてなし」を示し、リピーターやファンをつかんでいる。ブログというネット社会の新しいツールを駆使しながら、縁あった人としっかり向き合っているのが彼女たちの姿勢なのだ。楽しそうに自分たちの日常や仕事を笑顔で語る彼女たちに、宿泊業の原点を見た−。
(トラベルニュースat 19年2月25日号)
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