木下大サーカスの集客
幼いころ、一度はサーカスを見に行った記憶が多くの人にもあると思う。前時代的なイメージがあるサーカスだが、今、JR大阪駅北にある「うめきた」で木下大サーカスが開催されており、20年ぶりの大阪公演は大盛況だという。
年間120万人を集客するという木下大サーカスは1902年(明治35年)の創業から木下家四代にわたって続く同族企業で、世界のサーカス団の中でもトップ級を誇っている。「木下サーカス四代記 年間120万人を魅了する百年企業の光芒」(山岡淳一郎著)によると、宝塚歌劇を見ることのできる宝塚大劇場の年間入場数が119万人だから、ほぼ同等の集客数だ。インターネットで情報があふれかえり、多種多様なエンターテインメントが続々と登場するなかで、木下大サーカスはなぜ集客し続けているのか。
公演地の選定と公演現場の運営、営業・販促、そして演目という3つが揃わないとサーカスは成り立たないそうだ。今回の「うめきた」での公演も20年前からの土地所有者との人間関係があったればこそで、初演までに20年もの準備期間をかけている。
地元新聞社やテレビ局との連携も含めて、集客でもっとも重要な要素は、人との関わりであることを改めて我々の業界も知っておきたい。
(トラベルニュースat 19年3月10日号)
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