RWC開催と成功に思う
日本で開催中のラグビー・ワールドカップ(RWC)。日本チームの大躍進に興奮しっ放しだったが、RWCは試合の結果だけではなく、多くのものを私たちにもたらしてくれたように思う。
各国チームが合宿した地域では、1万5千人もの市民が代表チームの応援歌を歌い歓迎したとか、ニュージーランド代表が試合前に行う「ハカ」を子どもたちが披露し選手を感激させたとか心温まる交流が重ねられたようだ。カナダ代表チームが台風被災後のボランティア活動を岩手県釜石市で行った姿には、私たちが感動させられた。
試合後ノーサイドという一言で敵味方が入り交じり、観客席に日本流のお辞儀をする。そして、試合出場の半数が外国出身者の代表チームを心から応援する…。それがラグビーというスポーツで、その本質を多くの日本人が今回初めて目の当たりにし「にわかファン」になった。だが、ラグビーは我々の精神性にぴったりフィットしたとも言えるのではないか。
八百万(やおよろず)に表される多様性こそが日本の魅力。RWCでは各国の人を迎え、都市に限らず地方でもファンを獲得することにつなげた。来年の東京オリンピック・パラリンピックはもちろん、観光立国の礎石が強固になったと思う。
(トラベルニュースat 19年10月25日号)
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