近案連創立60周年
旅館ホテルなどの案内所で組織する近畿案内所連合会(近案連)が今年創立60周年を迎えた。個々に営業する総合案内所の組織が60年を迎えたことは、長年観光業界の発展に尽力されてきたこととして改めて敬意を表したい。
弊社が2005年にまとめた冊子「案内所の五十年史」にこうある。「全国の旅館ホテルの出先窓口の組織としては最大で、結束力もあったことから中小旅行業者は大案連(現在の近案連)に根回しをしない限り、各種の交渉は進まなかった」と記載するほど送客力を持っていた。
その送客力が負に転じ70年には案内所は旅行業類似行為、無登録行為といった「総合案内所登録問題」が、大手旅行会社間を中心に勃発した。当時の運輸省(現在の国交省)も巻き込んだ騒ぎとなったが3年後には旅行業法に抵触しないという結論に納まった。81年には社団法人全国旅行業協会近畿地方協議会から指定案内所として認定。旅行会社との関係をより強固なものにした。
時を経て昨年2018年には国が旅行サービス手配業として総合案内所の仕事を「業」と認め、総合案内所は新たな時代を迎えた。その翌年に近案連が創立60周年を迎えることは意義深い。時代の変遷を経ても、引き続き旅行・観光業界の期待に応える存在であり続けてほしい。
(トラベルニュースat 19年12月10日号)
- ナイキの失速に学ぶ(24/11/15)
- インバウンドと富裕層(24/10/25)
- 「あまろっく」に思う(24/10/11)
- 「バスの日」に思う(24/09/26)
- 高付加価値化とは―(24/09/10)
- 臨時情報下の同調圧力(24/08/28)
- 百年先を見る道後温泉(24/07/26)