決して沈まない思いで
今年5月に弊紙は創刊50周年を迎えた。50年を振り返るとともに、今後に向けて観光業界の方向を考える紙面づくりやシンポジウム開催を予定していたが、新型コロナウイルス禍で改めて内容を見直している。創刊50年で最大の災禍に見舞われるとは予想だにしなかったが、読者の皆様や観光業界でお役に立てる新聞社として決意を新たに、2020年があったからこそ、と言えるよう踏ん張りたい。
我々は、観光の現場を訪れ取材するとともに営業活動を主な業務としていたが、旅行会社や旅行サービス手配業の人たちと同様、従来型の仕事はほぼ皆無の状態だ。旅館の多くも休業しているなかで、それぞれが「新しい生活様式」に則り、新しいビジネススタイルの準備も進めなくてはならない。観光業界のガイドラインが発表され、一部温泉地、旅館では本格的な稼働に向けて“慣らし営業”を始めたところもある。
コロナ渦でロックダウンを実施したパリ市。市の紋章はセーヌ川と船をデザインしたもので「たゆたえども沈まず」「波に襲われても、決して沈まない」という意味だそうだ。これからはWithコロナも止むを得ないなかで、我々も「どんなことがあっても沈まない」というパリの紋章の意味にならい、この難局を乗り越えたい。
(トラベルニュースat 20年5月25日号)
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