自ら主導し状況を変える
Go Toトラベルキャンペーンの効果もあって、著名な旅館ホテルの部屋が取れない。休前日だけでなく平日も難しいというから、これまで旅行を控えていた消費者が一気に動き出したといったところだろう。
さぞかし潤っているように思うが、宿泊する多くは個人客。小規模旅館はともかく大中規模の旅館はコロナ禍で休館していたこともあり、人手不足に陥っているようだ。これまでの従業員を確保できていたにしても、どっと押し寄せた個人客対応に追われ、例えば食事処の席の確保に苦慮し従業員は大忙しだと聞く。
1千人を超える収容力があるS旅館では営業自粛から再オープンになった段階で全館オープンにはしなかった。100人、200人、300人と徐々に受け入れ宿泊客数を増やしていき、従業員の対応力もつけていった。現在では800人以上の宿泊客にも対応できる態勢ができているという。「おそらく元の状態にしてもお客様を迎えることはできますが、密にならないことを考慮すると8割ぐらいまでに抑えて営業しています」と話す。
先行きが見えづらい今、S旅館のように矜持を持って最善策を取っていく。どっと押し寄せる客に右往左往するのではなく、受入態勢を主導することで、状況は変えることができるのだ。
(トラベルニュースat 20年11月10日号)
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