“少数精鋭”の兵旅協
1975年(昭和50年)11月、中小企業等協同組合法に基づいて設立された兵庫県旅行業協同組合(兵旅協)。旅行業の協同組合として全国に先駆けて72人の志で発足した。
ただ、2月に開いた兵旅協総会で1社の廃業、7社の退会が明らかにされ、新年度は17社でのスタートとなった。一挙に8社が抜けたものの門田基秀理事長は「人数は減ったが、少数精鋭で一致団結し頑張りたい」と、意気軒昂だ。また旅館などの受入施設などで組織する兵旅協契約機関協力会は新年度、城崎温泉・西村屋ホテル招月庭の西村総一郎社長が新会長に就任し「新しい時代に新しい光を見えるような組織運営を」と話した。
「少数精鋭」「新しい時代に新しい光」が兵旅協と協力会の大事なキーワードであるように思う。西村新会長を迎えコロナ禍で観光業界が壊滅的な現在、兵旅協組合員が本当に「少数精鋭の気概」を持っているのか、協力会会員が「新しい光」にどれだけの関心と意欲を持つのか−。
兵旅協設立30年の記録誌の中で、当時の楠本弘理事長は11年前の阪神淡路大震災を振り返り「現在の兵旅協の取り組みの原点は大震災にあった」と語っている。兵旅協と協力会は「コロナ禍があったから今がある」といえる、10年後を見据えた価値観と行動が求められている。
(トラベルニュースat 21年3月10日号)
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