観光再生宣言に思う
日本観光振興協会(山西健一郎会長)が3月1日に発表した「日本の観光再生宣言」。観光業界の果たす役割と重要性を再認識し日本の観光の再生を通じてコロナ禍の危機を乗り越え、持続可能性な地域社会を実現していくことを表明するものだ。
1日に開いた記者会見では山西会長のほか、JR東日本の冨田哲郎会長、JTBの髙橋広行会長、西武ホールディングスの後藤隆志社長ら副会長らが顔を揃えた。日本旅館協会の浜野浩二会長もリモート参加するなど、観光業界を代表する面々が一堂に介して、業界の実情を訴えるとともに、これからの取り組みをアピールする機会となった。
ところが残念なことに、一般の人たちどころか業界関係者がこの宣言をあまり知られていない。本紙でも3月10日号で掲載しているので、自らの力不足を恥じ入るばかりだ。
日観協では、この宣言に賛同する企業や団体に対して署名を募っているものの、3月17日の時点で583件にとどまる。その比率は市町村など観光協会と地域連携DMOが105件で18%と最も多く、次いで観光施設・宿泊施設が84件、14・4%。それに比べて旅行業は35件、6%に過ぎない。
この低さは、本来市場と対峙する第一線にいるはずの旅行業の情報不足が顕著に表れていると思える。
(トラベルニュースat 21年3月25日号)
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